メッセージ

ようこそ、ぶどうの木へ

代表取締役会長本 昌康

会長・本昌康からのメッセージ

店をつくりたい、飲食店をやりたい。葡萄農家の息子がそう願って、自宅を売却してまでカフェをつくりました。
ところが建設現場にやってくる職人さんたちから、「こんなところにお客が来ると本当に思っているのか」と嘲笑されたものでした。
最初は「なにくそ、今にみておれ」との気持ちがあったのですが、強い思いで取り組んだはずなのに情けないもので、やはりみんなの言うとおりでこんな不便な場所には誰も来てくれないのではないか、と日に日に思い始めたのです。

そんな気持ちが募ってきますと、次第に当初の積極性は失せて、撤退のことばかりを考え始めるようになりました。本店イタリアンカフェの建物の外観が普通の家にしか見えないのは、そのためなのです。いつでも普通の民家に戻れるようにつくったのです。
そんな中、お店は計画通りに1982年8月10日に開店しました。
「誰も来てくださらないのではないか」との心配をよそに、開店初日には100名ものお客様をお迎えすることができホッと胸をなでおろしました。

しかし、その後、鳴かず飛ばずの日が続きました。冬が過ぎ、春を迎え、2年目の夏を迎え始めた頃、店の入口の玄関にはお待ちのお客様が出るくらい忙しいお店になってきたのです。
それは、お客様の顔など見たくないくらいの繁盛で、スタッフの顔に疲れは出てきますし、自然にお客様が来てくださったことへの感謝の念も失せていくのが見えてきたのです。
「これではいけない」「こんな心で営業していては、お客様は瞬く間にいなくなる」という危機感をもちました。

閉店間際にやって来られたカップルを笑顔でお迎えしたあの冬の日のことを。
また外び看板のスイッチを消そうとしたとき、目に入ってきた車のライトを見て、その車が通り過ぎるのを見届けてからスイッチを消したことを。

瞼を閉じると、幾つものシーンが思い浮かびます。
ぶどうの木の原点は、ご来店いただいたお客様への感謝や、もっとたくさんの方々にご来店いただきたいと心から願ったことであることを、私たちは決して忘れてはならないのです。

「こんなところまでわざわざお越しいただいて、ありがとうございます」
それがぶどうの木の原点です。
「ようこそぶどうの木」とは、そんな思いを忘れないために、永年に渡り繰り返しスタッフの皆さんにお伝えしている言葉です。
お客様をお迎えする際には、必ず心の中で「ようこそぶどうの木へ」と唱えて「いらっしゃいませ」とご挨拶をしましょう。
その時、きっとみなさんはすばらしい笑顔になっているでしょう。

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